上面左舷後方の穴メカ 解析と創作その3

さて、今回の穴メカの創作で一番書かなくてはいけないのが、この穴の中央に大きく構える謎のパーツですよね。

いくつものコの字の切り込みが入った4枚のプレートがあります。これを見てすぐに頭に思い浮かぶのがこのパーツです。

【タミヤ 1/35 ドイツ8輪装甲 Sd.kfz232】です。このパーツはILMスタッフの大のお気に入りで、ANHファルコンのあらゆる箇所に流用されていますしYウイングやスレーブ1でも目にすることが出来ます。

(これに関しては「スターウォーズ・モデリングアーカイブ」に、鷲見博さんが書かれた興味深いコラムが掲載されていますので、是非ご覧になってください)。

 

ANHファルコンの具体的な流用箇所を挙げると主にここになります。

ここからは私の妄想になりますが、映画「帝国の逆襲」製作時にこれらの箇所をESBファルコンでも表現しようと考えたILMスタッフはこれに代わるパーツを探したと思われます。

ですが残念ながら見つかりません。で、こう考えたのだと思います。「無い物は作ろう!」

ESBファルコンでもANHファルコンとほぼ同じ箇所にこれによく似たパーツがありますが、どれもコの字の切り込みの位置や大きさが違い、同一の物ではないことが分かります。

これはきっとパーツの統一の図面等は引かずに、その箇所毎にILMスタッフが自由に(適当に)作ったのだと思われます。

で、そんな自由に作られたパーツ1つ1つを、約40年後に出来るだけ忠実に再現しようと真面目に考えているオジさんがいます。笑

 

今回もいつもの様にネット画像からこのパーツを採寸します。

私はこの作業を行う為にいつもAdobeのIllustratorとPhotoshopの2つのソフトを使用しています。今回はいつもより詳しくその方法を書きたいと思います。

この穴メカに関しては数多くの画像がネットにありますので、その中から採寸に適した物をピックアップしました。この穴を真横から写した、解像度が高くピントの合った画像です。

それとは別にこの様な画像も用意しました。(まぁこれは特別必要なものでは無いのですが、今回この作業工程を説明するのにいいかなと)

これらの画像に写っている「DFVエンジン」のパーツの大きさをIllustrator上で揃えます。また採寸しやすい様にプレートの角度を水平に調整しました。

そして画像全体のサイズを実寸の10倍に拡大しました。ですので画像に写っているスケールの目盛り1cm(10mm)は実際は100mmあります。

ではパーツの採寸をします。4枚あるプレートの右から2番目のプレートをピンクのライントでレースしました。ただこれでは他のパーツに隠れて見えない箇所があります。

ですので、この穴を反対側から写した画像を同じ様にIllustrator上に配置してブルーのラインでトレースしました。(ラインの色に特別な意味はありません)

このラインを前の画像にコピペし、Illustratorのシアーツール等の機能を使って見えない箇所を補完しました。

2つのラインは完全には合致していませんがその差は僅かなものです。画面上の1mmのズレは実際ではほんの0.1mmでしかなのいですから。

分かりづらい説明で申し訳ありません。これでこのプレートの採寸は終了とします。

 

凄く手間の掛かった難しい事をしているように見えますが、ここまでに掛かった時間はそんなに長くはありません。自分的にはこの作業を楽しんでいますよ。いや、ホントに。笑

続く。