サイドスカートの創作 その3

今更改めて文字にする程でもないのですが、私がAT-ATの創作を進める上で資料としている画像がネットには複数あります。そして当然ながらそれらのモデルには個体差があります。

XウイングやYウイングのように、それぞれの個体の差異を追求し、作り分けるのがSWモデラーとしてはベストな行いなのでしょうが、参考にしたい画像の数があまりにも少ない為に、そこまで突き詰められていないのが現状です。

因みに書籍【スター・ウォーズ モデリング アーカイブ Ⅱ】では、3体のAT-ATの差異を作り分けされていて、興味深く読ませていただきました。

なので私が創作しているAT-ATはいろんなモデルの組み合わせです。いい言い方をそすれば「ハイブリッド」。悪い言い方をすれば「雑種AT-AT」です。笑

 

そしてここからが今回の記事の本題になるのですが、今創作しているサイドスカートもモデルによって個体差があります。

左の画像は【バンダイ 1/144 AT-AT】のキットです。サイドスカートを胴体に固定するためのパーツが再現されています。私はこれを「接合パーツ」と呼ぶことにします。イエローで示した部分です。

そして右の画像は『帝国の逆襲』撮影後にスタッフに贈呈された、撮影モデルを複製したAT-ATです。私が一番参考にしているモデルの画像です。これにはその接合パーツがありません。

 

この画像は20年前に京都国立博物館などでも開催された『アート オブ スター・ウォーズ展』に展示されていたモデルと同じAT-ATを撮影したものです。多少不鮮明ではありますが、これには接合パーツが確認できます。

 

そしてこの画像は、日本でも2019年から2020年に渡って開催された『STAR WARS アイデンティティーズ:ザ・エキシビジョン』に展示されていたAT-ATです。サイドスカートが外された状態の非常に珍しい画像です。よく見るとこの接合パーツにはスカートを固定する為のネジ穴が確認できます。

 

当然ながら私はこの接合パーツを再現することにしました。そもそもこの接合パーツが無いと、薄っぺらなスカートを僅かな小口面だけで胴体に固定することができませんから。

それでこの接合パーツを創作しました。それなりの強度が必要なのでレジンによる複製は行わず、プラ板を貼り合わせて地味に1つ1つ創作しました。

 

これを前回の記事でお見せしたAT-ATの胴体に取り付けました。サイドスカートが正しい位置に固定された状態で、それに付く接合パーツの位置や角度の微調節を何度も重ねました。

接合パーツの形状は【バンダイ】のキットにあるC型鋼のような2本のフランジが並ぶ形状にはしませんでした。強度の問題もありますが、それよりも創作するのに手間が掛かり過ぎるのが大きな理由です。笑

そして接合パーツの位置が決まり胴体に接着された状態で、サイドスカートを一旦外しました。

実際のこの接合パーツは、胴体の底面に向かってまだ1.5倍程長いようですが、これ以上大きく作ると胴体内部のパーツに干渉してしまい、取り外しが出来なくなる恐れがあったのでこの長さに留めました。

 

取り外したサイドスカートの内面のディテールを完成させました。これは接合パーツのない「複製されたAT-AT」のモデルを参考に再現しまた。上下に付けているのは【プラストラクト ABS製鋼材 C型鋼 C-4】です。

これだけのディテールが、何故目立たないスカートの内面に施されているのかは謎ですね。

 

そして改めてこのスカートを接着するのではなく、実際のモデルのようにボルトで接合パーツに固定させました。因みにこれは頭の径が4mmのM2低頭六角穴付ボルトです。

これは「メートルねじ」であって、ILMスタッフが使ったであろう「ユニファイねじ(インチねじ)」とは違う物なのですが、資料がない為に同じ物を見つけ出すことが出来ませんでした。ネットにある画像を見てもその違いはほとんど分かりませんから、私としてはこれで大満足です。

 

これでサイドスカートの完成です!

最終的にこのサイドスカートが胴体に104°の角度で付いているかなんて、もはや自信は全くありませんが。笑

「ドライブモーター」を創作した時と同様に、画像を敢えて上下逆さまにして、実際に見える状態を表現してみました。下方からのライティングがやっぱり格好いいです!

 

ということで、一旦ここでAT-TAの創作をお休みにしようと考えています。このブログを読んでくださっている方々にはお分かりいただけていると思いますが、AT-ATの創作は後残り首部分と脚部になります。首のチューブの造形と素材をどうするかの問題がありますが、一番の問題は脚部の創作です。

これは今までのようなプラ板の貼り合わせでは、胴体を支える強度が足りません。どんな素材を使えばいいのか。これは私がずっと後回しにしてきた問題点です。

可動関節を備えたアーマチュアを創作するつもりは全くないのですが、それでも胴体を支えられる強度を考えれば必然的に金属製となります。

そうなれば工作機械による金属加工しか方法がありません。つまりこれからの創作は自分では不可能であって、専門業者への委託が必要となります。

ただ私にはそのような加工を頼める知り合いがいませんので、現時点では業者の選定や外注依頼の方法などが全くわかりません。今から勉強していくことになります。それに何よりも外注する為のお金が必要となります。

まぁこれが最大の問題なのですけども。笑 なので一旦お休みです。

 

それでいよいよ7月からはスター・デストロイヤー艦橋の創作を始めるつもりです。それと同時にAT-AT脚部創作の準備も進めていきたいと考えています。

やりたいことを思うがままにやっていますが、今後ともお付き合いいただけたら嬉しいです。何卒よろしくお願いいたします。